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自分の世界を広げたい人にオススメ!鑑賞レポート【小論文対策】
スタジオ生徒のMさん
小論文対策の為に、先生に勧められた本の鑑賞レポートを書きました。
受験対策のために読んだ本ですが、自分の世界感も広がったようですよ。
『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる~』鑑賞レポート
◆出会った経緯この本は、受験対策になるだろうと、学校の先生から配布された「小論文を書くために読んでおきたい本」のリストに掲載されていたものの一つである。
最初はなんでもいいと思っていた。
しかし、タイトルや作者名、本の値段などが記載された冊子の中で、この本の【生き苦しさからラクになる】というフレーズが、私の目を引いた。
そこから、少しずつ読み進めていく生活が始まったのだ。
◆本の概要
この本の作者である鴻上尚史さんは、日本の劇作家・演出家であり、日本劇作家協会会長(代表理事)や日本劇団協議会・日本演出者協会理事など、他にも様々な業績を持っている人物だ。
この本では、そんな鴻上尚史さんが、主に仕事をする中で接してきた外国人との話を元に、外国人と日本人を比較し、「空気」に関する謎を紐解く過程がまとめられている。
全体は26個のタイトルで区切られているため、一つ一つのまとまりは非常に短い。
また、丸ゴシック体の文字や、こちらに語りかけるようなやわらかい文章も相まって、スイスイと読み進められる作品である。
◆この本から得られた学び
① 「世間」と「社会」が解決の鍵!
筆者いわく、「生き苦しさ」を解決するには、まず「世間」と「社会」の言葉を理解することが重要である。
○「世間」⋯自分と、現在または将来、関係のある人たちのこと。
(学校のクラスメイト、塾で出会う友達など)
○「社会」⋯自分と、現在または将来、なんの関係もない人達のこと。
(道ですれ違った人、電車で隣に座っている人など)
日本人は基本的に「世間」に生きており、「社会」の人達とはあまり関わろうとしない。
そのため、自分たちと関わりのある「世間」の人には優しく接するが、自分たちと関わりのない「社会」の人には平気で無視ができる。
逆に、外国人は基本的に「社会」に生きている。そのため、道ですれ違った人に声をかけたり、公園やレストランで恋愛が始まったりということが頻繁に起こるのだという。
このように、全く違う文化を持つ日本と外国を引き合いに出すことで、筆者は【自分の今の状況はたったひとつの正解ではない】ということを示そうとしているのだと考える。
こんなにも行動が違う理由については、外国と日本の昔からの歴史の違いが関わってくるのだが、そこはここでは割愛する。
②「世間」には5つのルールがある!
上でも説明した日本人に根強く残る「世間」には、実は5つのルールがあるのだ。
1.年上がえらい
→年が上であるだけで尊敬し、なんでも言うことを聞かなければならないというもの。
2.「同じ時間を生きる」ことが大切
→同じ時間を過ごせば過ごすほど仲間だと認識するというもの。
3.贈り物が大切
→贈り物をし合うことで、お互いを仲間だということを確認するというもの。
4.仲間外れを作る
→自分たちとは違う人達の存在を意識することで、まとまりをより強くするというもの。
5.ミステリアス
→具体的な理由は分からなくても「昔からそうしているから」というだけで、暗黙のルールを継続させていくというもの。
改めて文字にされると、「確かに!」と理解できるものから、「なんでなんだろう?」とよく分からないものもあり、とても面白い。
そして、これら5つのルールの中で、どれか1つが欠けている時、それが「空気」になるのだという。
③弱い「世間」をいくつか作るべし!
これは筆者があげている「生き苦しさ」を解決する策の1つである。
日本人には「世間」の考え方が根強く残っているため、1つの強い「世間」が出来ると、やがて「自分の居場所はそこにしか無い」と考えるようになってしまう。
しかし、そうなると、その1つの強い「世間」から外れてしまった場合のショックが大きい。
そこで、弱い「世間」をいくつか作り、居場所を分散させる方法が効果的なのだ。
弱い「世間」とは、親友になる必要はなく、たまに会話をする程度の仲の人との関係である。
弱い「世間」を作るために、まずは強い「世間」に固執せず、あまり話したことのない人にも話しかけてみることから始めてみるのが良いのではないだろうか。
◆最後に
最後に、私なりに考えた、この本をオススメしたい人の特徴をまとめてみた。
①対人関係に悩みを抱える人
②感情に振り回されてしまう人
③「空気」の秘密を知りたい人
もちろん、読むだけで全ての苦しい状況がスッキリ解決する訳では無く、新たな状況の捉え方をインプットすることで、苦しい状況を打破するヒントや考え方が掴める。
また、そこから行動に移すことで、自ずと状況は変わっていくものだと考える。
この本は、私の凝り固まった頭をほぐし、新たな学びを与えてくれた素晴らしい作品である。
実際に読んでみると、人それぞれに違った発見が見つかると思うので、ぜひ気になった方は読んでみて頂きたい!
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