演技実技の受験対策
2020年8月夏期講習 第5回開催
日芸、多摩美、玉川、桐朋、桜美林など、
憧れの大学に合格するために必要なことをまとめてレッスンする
演技実技対策の集中講座
第5回のテーマは、「表現の幅を広げる」
例えば、セリフをもらった時、音楽を聴いて表現する時、
この言い方しか出来ない、この表現以外見つからない、
何が正解なんだろう?と考えてしまいませんか?
自分の中にある可能性を見つけ、
演技には正解もなければ、間違いもないことを学んだ最終日でした。
2020年8月29日(土)
◆行動制限されたエチュードで「表現の幅を広げる」
スタジオ内を歩きまわり、
先生の合図でペアやグループになり、エチュードを行います。
「その場から動かずに行う」
「複数人数の中、1人だけが動ける」
「1人だけ手が勝手に動き出す」
など、行動が制限される課題を出されました。
そうすると、指示に従ううちに、行動の理由を
エチュードの中で見つけようとしました。
生徒たちからは、
とりあえずその課題に従って、動いたり、止まったり、
まず身体の動きに集中すると、
普段やらないエチュードの設定やキャラクターが生まれた
と、いう声が上がりました。
◆多角的に見て聴いて「表現の幅を広げる」
・単語を色で表現する
「ねこ」「ミュージシャン」「ナース」などを、
イメージする色でどんどん答えていきます。
答えていくにつれ、赤、白、ピンクなど、
同じ色ばかりになってしまったり、
他の人と同じ色を答えてしまったりしました。
生徒たちからは、物を色で考えたことがなかった。
それだけ、色のことを知らないから、
バリエーションがなく人と答えがかぶってしまうとの声が上がりました。
つまり、オリジナリティを獲得するには、
それだけたくさんの知識が必要ということですね。
たくさんの人や音楽や作品、
色に触れることが必要ということを学びました
・単語をポーズで表現する
色で表現したように、今度は自分の身体を使って、
表現していきます。
お題を出していくと、
そのものを説明する形を作ってしまう受験生もいました。
しかし、それは、誰もが出来る具体的な説明で、
オリジナリティはありません。
オリジナリティを出すには、
色なのか、質感なのか、
自分がそのものに対して持つイメージを切り取ることが、
重要だと学びました。
・音楽をポーズで表現する
まず、音楽を2〜3秒聞いて、ポーズをとることを繰り返します。
音楽が変わると、ポーズが変わることを実感したら、
今度は一曲の中で自分が変わったと感じる時に
ポーズをとっていきます。
そして、だんだん、ポーズ(点)とポーズ(点)をつなぎ、
一連の動きにしていきました。
音楽を聴いて、景色、色、状況、場所、登場人物を想像したり、
音楽1つとっても、いろいろな角度から捉えることも、
普段から行うようにしていると、表現の幅が広がっていきます。
◆相手役を使い、表現の幅を広げる
怒るエチュードを自分一人で行います。
ペアになり、自分一人で行ったときと同じエチュードを行います。
相手役は、怒っている方に対し、
顔を変えたり身体を動かしたりして、反応します。
そうすると、参加した生徒全員が、
同じ設定・同じ内容なのに、
相手役がいると気持ちもセリフのトーンも変わったことを実感しました。
相手役がいることで、自分の演技がよりイキイキとし出し、
自分一人では出て来なかった表現が出来ました。
2020年8月30日(日)
◆過去問 歌唱表現
日芸 一般入試過去問題「歌唱表現」も行いました。
歌唱表現の1番のポイントは声の大きさです。
参加した受験生は、声の大きさはクリア出来ましたが、
自分の見せ方や自己演出の仕方には課題が残りました。
エチュードやセリフは決められた課題の中行いますが、
歌は自分らしく表現出来る唯一の試験問題です。
自分の良さを表現出来る方法を知り、
選曲・歌唱中の演出をしていけると加点ポイントになることを学びました。
◆仮面をつかって「表現の幅を広げる」
初見の台本を覚え、ファーストインプレッションで演技をします。
このファーストインプレッションの演技も、とても大切なことですが、
1番に思い浮かぶことは、演者のクセや固定概念でもあります。
それ以外の表現を見つけるためのレッスンを行いました。
表情をイラストを書いた、
顔の上半分が隠れる大きさの仮面を使います。
仮面にあった表情をつくります。
次に、仮面の表情に合ったポーズ、身体の動き、歩き方、
そのキャラクターが言いそうなセリフを決め、
キャラクターを作り上げていきます。
ポイントは、キャラクターの特徴をデフォルメすること。
キャラクターをしっかり自分の身体に落とし込めたら、
台本と同じセリフで演技します。
次に、仮面とは真逆の表情をつくります。
2つめに作った表情に合ったポーズなどを、
同様に作りあげていき、
最後に台本と同じセリフで演技します。
生徒からは、最初に読んだセリフのキャラクターとは、
全然違うものが出来たけれど、どちらもやってみるとしっくりきた
こんなキャラクターをやったのは初めて。
自分の中で新しいキャラクターが生まれた
という声が上がりました。
演技未経験の受験生がたくさん参加してくれた1ヶ月。
ワークショップに参加することで、身体や声、自分の気持ちなどに、
それぞれが大きな変化を感じることが出来たようです。
自分の可能性を否定しないことこそが、演技の基礎ですね!
ワークショップに参加した生徒の感想
2020/8/1,8/2 開催 第1回ワークショッップの様子
2020/8/8,8/9 開催 第2回ワークショッップの様子
2020/8/15,8/16 開催 第3回ワークショッップの様子
2020/8/22,8/23 開催 第4回ワークショッップの様子