【もう歳だから、何かを諦めようとしている人へ】
「年をとって、人に迷惑かけたくないから長年やっていたパッチワークやめる」という86歳の自分の母親とのエピソード。
コラムの最後の結び
~おかんにも、未来の私にも、そして、 もう歳だから何かを諦めようとしている人にも、
枯れていく今だからこそ表現できる、 今しか表せない想いをカタチにして、
表現の花を咲かせてほしい。
...という言葉が、心に温かく響く。。
中高年世代の方の未来の自分に
シニア世代の皆様に
ぜひ、読んでいただきたいコラムです。
今だからこそ「今しか表せない表現の花を咲かせよう!!」
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もう年だから 何かをあきらめようとしている人へ
86歳のおかんが、 何十年と続けてきたパッチワーク教室に通うのを 辞めると言うから止めた。
私はなんかもう必死になってた。
泣きそうだった。
電話越しだけど、 ものを書く自分の内面までさらけ出して、 全力で止めた。
「やめたくないけど、やめたい。」
母の胸中には、 平凡だけど切ない理由が「2つ」あった。
~略~
「わたしだって、やめとうない。 やめとうないけど、やめたいんよ。」
本当は辞めたくない。
ついに本当のことを言った、と私は思った。 きっとこの心根を感じ取っていたからこそ、 私は必死になって母を止めていたんだ。
いちばん何を恐れて辞めたいのか、母にたずねると、
1つには、
「迷惑をかけたくない。」
もう1つは、
「想うものがつくれない。」
~略~
私は、20年ネットにコラムを書き続けてきた想いを、 恥も外聞もなく、母にさらけ出した。 「つまらなくなった」と読者に言われた日のことも話した。 泣きそうだった。
最終的に私の口を突いて出てきたのは、
「それでも私はやめん。死ぬまで書く!」
「老いて、衰えた自分にしか書けないことがある!」
「パッチワークはおかあちゃんの自己表現なんじゃ。 いくつになっても想いは沸いてくる。 うまくカタチにできてもできんでも、 想いを表そうとすること自体が人は楽しいんじゃ。 人は、想いを表わさずにはおられんのんじゃ。」
母は最終的に、続けると言った。
満開の桜のように、 若いときには、たくさんの花を、 枝もたわわに一気に咲かせることができる。 それは多くの人の目を奪い、魅了する。
だけど、老い衰えた老木が、 まわりの人はもう枯れたのかと見向きもしない 忘れたころに、 ひっそり、ぽつん、とひとつ、花を咲かせたら、
それは若い木にない味わいがあり、感動がある。
未来の自分が書く、そんな文章を読んでみたい。
老木にぽつんとひとつ咲かす花。
おかんにも、未来の私にも、そして、 もう歳だから何かを諦めようとしている人にも、
枯れていく今だからこそ表現できる、 今しか表せない想いをカタチにして、
表現の花を咲かせてほしい。
山田ズーニー
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日々の楽しみの時間・日々の表現の時間
何か理由をつけて、諦めていませんか?
【ずっとやってみたかったこと】【ずっとやっていたこと】
諦めないで、やってみましょう・つづけましょう