演技の受験・オーディション対策BLOG

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アニーオーディション対策に必要なスキルってなに?ワークショップを通して見えてきたこと

アニーになりたい!モリーになりたい!ミュージカル子役大集合
みんなの憧れのアニーは、たくさんの子供達の夢の舞台です。
夢の舞台に立つには、何が必要なのか?何がそんなに難しいと言われるのか?
演技・ダンス・歌の集中ワークショップで、アニーの傾向と対策が見えてきました

【子供の苦手ランキング第一位】強い感情表現、瞬時の対応力、台詞の掛け合いの記事を追記しました(2024/8/17)
【ダンス対策はここを磨く】どんなジャンルのダンスが必要?、技術と表現力を同時に磨くの記事をアップしました(2024/8/29)

目次

アニー演技対策

1.アニーオーディション何が難しいの?
◾演技審査のみ2時間集中してレッスンして分かったこと
今回のレッスンでは、過去の審査に出題されてきた内容を、行いました。

【過去に行った審査と同じことするね】
子供たちには最初に伝える事で
一層、やる気にも火が着いたようでした。

難しい課題でしたが、【これなら受かりそう】【全然出来なかったぁ】と、
実感を伴ったレッスンが出来た事は大きな収穫で、
これから自分が何をやらなきゃいけないのか?
子供たちも理解出来たようです

IMG_4134.jpeg ◾感情を出す
がっかりする
怒る
ショックを感じる
喜ぶ

アニーでは、劇中で様々な感情が要求されます。
セリフと動きを暗記すれば良いわけではありません。
紋切り型の、誰でもしそうな表現では、オーディション通過は難しくなります。

・感情は出すだけでは不足なのです・

過去の審査では【アニーに対する作文】を書かせる事もありました。
アニー出演に対する想いの深さが、演技の深さにも繋がります。
貴方だけの表現を見つけることは、オーディション通過に大切な要因と言えます。

◾貴方だけの感情の出し方
一人ずつ、丁寧に質問を重ねていくことで、
各自の経験に基づいた感情を探すことからレッスンは始まります。
怒ると言っても、千差万別です
・唇を噛みしめ睨み付ける
・唸り声をあげて凝視する
・走り回る
・天を見上げ涙をこらえる

子供の経験や、読んだ本、見た映画等々
その子の経験が問われます。

【IF もしその役が私だったら】
と役を自分の事として考えることが大切です。

IMG_4133.jpeg ◾音を使って演技の審査
感情のレッスンを行ったら、次はそれを具体的に身体で表現する対策です。

音にあわせて、怒りや挫折をポーズやセリフ等
全身を使って表現します。

音のはく数(カウント)にあわせて、
セリフもポーズもタイミングが決められて行きます。

相当の難題ですが、本番はまさにその通りですから、
実験的なオーディションと言えます。

感情が出せても、カウントから外れてはだめです。
ポーズを決める時にも、フラフラしたり、音からずれていてはだめです。

2時間のレッスンで、悪戦苦闘しながら徐々に音に合わせられる様になり、
音に合うと感情を出す余裕も生まれました。

2.講師からの総評
動けるからダンスへ
感情が出せるから、貴方だけの感情へ
セリフ覚えたから、貴方だけのセリフへ
自分流からタイミングに合わせるへ

アニーに求められるスキルは高いです。
手順を踏んで、丁寧に学ぶことで子供も理解してくれることが実感出来ました。

人とは違う貴方らしさ、これはアニーだけに求められる事ではありません。

自分を知ることは、
自分の事を話す事からスタートします。

ご家庭でも、沢山会話をすることで、
演技の基盤である自分自身を作り上げる事が出来ますね。

舞台、映像のオーディション対策に少しでもお役に立てたら幸いです。



アニーダンス対策

1.どの程度のダンスレベルが必要なの?
アニーの本編を観劇された方は、「あれ?ダンス少なくない?」
「じゃぁダンスしなくて良いのかな?」と思ってしまうかもしれません。

たしかに、小道具を使った身体表現やポーズといったお芝居の中のダンスや、
カウントに合わせた身体表現が目立ちますが、
それはあくまである程度のダンスレベルのある子だから出来るなのだと思います。

例えば、身体の止め方・エネルギーの出し方・カウントの取り方など、
ダンススキルがないと、お芝居の中にダンス要素を含んだものは相当難しいです。

IMG_4135.jpeg また、アニーは実際の舞台公演のほか、クリスマスコンサートもあります。
クリスマスコンサートでは、ダンスキッズではなく、アニーや孤児役も、
アクロバットを含めたダンスを行うことが多いので、
やはり、ダンスは基本スキルとしてきちんと「踊れる」というレベルは最低限必要です。 

2.講師からの総評
アニーダンス審査対策レッスンでは、90年代のアニー本編で踊られていたダンス振付を
少しアレンジして1コーラス振り入れをしました。

・ツーステップ
・ロンデジャンプ
・ターン
・パドブレ
・連続のバットマン

など、を入れました。

年齢の小さめなお子さんも多く、出来ないことももちろんありましたが、
全員が最後まで諦めることなく、踊り切りました。
その中で感じたのは、ダンスをやっている子とやっていない子の差が顕著だったことです。
年齢が小さくてもダンス経験が長いだろうなぁと思う生徒は、
特にターン後など、身体を止めることが出来ていましたが、
逆にダンス経験が浅いだろうなぁと思う生徒は、
ふとしたタイミングで身体のふらつきが目立ちました。

また、実際のオーディションでは、劇中曲ではない曲を使用していることもあるので、
歌えない曲でも、しっかり表現が出来るか・カウントで覚える癖は必要だと思います。




アニー歌対策

1.最初の関門 歌動画突破のコツは?
アニーオーディションは、まず最初に書類を送ります。
書類を送ると歌の課題が送られてきて、
課題曲を歌って動画を撮って送るという流れです。

学年によって指示される課題曲は異なります。

書類・動画の審査でも同じく歌審査があり、年齢によって課題曲が異なります。

この歌審査でかなりの数まで絞られます。
過去のオーディションだと、10,000くらいの書類応募数から、
400名くらいに絞られていた時もあり、まずこの関門を突破すること自体が、
相当大変です。

さらに、書類・動画審査の後は、対面での歌審査になり、
ここでもさらに1/4くらいにまで絞られてから、ダンス審査へ
ダンス審査でさらに半分に絞られ、ワークショップ審査、
最終審査と進んでいき、最終的に14名に絞られます。

つまり、歌を通過しないと、ダンスも演技も見てもらえなくなってしまいます。

IMG_4137.jpeg 歌は、まず「正確性」が必要です。
譜読み(音程・リズム)→歌詞(言葉・滑舌)→表現
の順番でレッスンしていきました。
実際のレッスンでは、ハードノックライフを題材にしましたが、
この譜読み、特に出だしのリズムが取れず、声が小さくなってしまい、
若干苦戦する子も多くいました。

上記の通り、書類・動画で相当数の応募があるので、
審査員はおそらく全員最後までしっかり聞いてからの判断ではなく、
出だしの印象でほぼ決まると言っても過言ではないでしょう。

2.講師からの総評
歌は耳コピで覚えるのではなく、
必ず楽譜で音程とリズムを確認して練習するのがベストです。
また、裏声に移行せずに、地声で高音が出せるようにする練習も必要です。

また上述の通り、アニーオーディションは応募数も多く、
超超難関だからこそ、出だしは大切です。
それはハードノックに限らず、アニー役の年齢のTommorowでも同じです。
朝がくれば〜♬の「あ」で決まると言われていたりもします。

なんとなくではなく、まずは正確に。
これは第一段階として非常に重要です。




アニーセリフ対策

1.これ見過ごさないで!
セリフを言うときに何に気を付けてますか?
どんな言い方をしようかな?
抑揚をつけてみようかな?
とセリフにアプローチしていませんか?

セリフは話すのではなく、聞いた結果それに対して思いが溢れるのがセリフです。
具体的には、
① 相手のセリフを聞く力
  セリフの無い時、聞いている時の演技は重要です。
  心の中の気持ちを表情に出していきましょう。

② 間を取って話せる力
  長いセリフが来たら、勢いよくが~とまくし立ててはダメです。
  間を取って話せる余裕も時には大切な感情表演となります。

③ もし自分ならを考える力
  セリフをそれらしく話すのではく、本当の孤児になった気持ちで、
  もし自分が孤児になったらどんな気持ちになるのか? 
  そこを考えることで、貴方だけの演技が生まれてきます。
 
2.身体表現で話す
舞台上での演技なので、声の大きさ、そして身体を使って表演する力は必須ですね。
手足は表現の一部です。
怒ってる時、驚いた時、喜んだ時 等等
棒立ちではなく、身体は、手足は動いていますよね?
舞台上でも、再現できるように、いつも自分はどんな風に、身体を動かしているか?
自覚していきましょう。




子供の苦手ランキング第一位

舞台志望・映像志望に関わらず、子供たちから「苦手〜><」と言われる
そしてオーディションでも求められる3つ。
経験値を増やし、慣れることが1番です!
1.強い感情表現
アニー・孤児役など、年齢が上の子役に特に求められます。
そもそも感情を出すのが苦手だったり、
出そうとすると言葉に頼ってしまったり
叫ぶだけで泣き真似や怒ってる風になってしまったりと、
感情表現に対して苦手意識を持つお子さんは非常に多いです。

そんな苦手を少しでも乗り越えやすくするための秘密兵器
イライラボールを作ってレッスンしてみました。

このイライラボール
自分たちで作ることもレッスンのポイントです。
自分の手で作ると途端に楽しくなる
どんなに苦手なレッスンでも楽しみながら行う
これが1番の秘訣かもしれませんね

2.瞬時の対応力
オーディションで見られているのは、その場の反応力
もちろん決まった台詞や台本があったとしても、
相手役は初めて接する相手であれば、
相手の演技にちゃんと反応出来るか、
即時反応が求められます。

また、その場で"もっとこうして"と言われた時に対応する力も即時反応です。

演技の中での対応力ももちろんですが、
・指示を瞬時に理解し体現する力
・実行する勇気
これも反応力です。

ということで!
勝敗はだれにもわからないからこそ即反応力が鍛えられる
ジャンケンエチュードをやってみました❗️

複数人でやる時は、
他の相手の出方を見て、
即座に人と違うキャラクターを演じたりと、レベルが上がります。

3.台詞の掛け合い
怒る演技、強い感情表現ができるようになってきたら、
相手に伝えることを意識してみましょう。

そのためには、相手の反応を見ること、聞くことです。
相手からの反応を受け取って、怒りが生まれるように注意していきましょう。
上記2つのまさに集大成ですね!



ダンス対策はここを磨く

アニーに限らず、ミュージカルを目指す子役は、
どんなジャンルのダンスを習えば良いのか?迷ってしまいますね。
テクニック重視だけではなく、レッスンで何を意識すれば良いのか?
お伝えしていきます。

1.どんなジャンルのダンスが必要?
たくさんのジャンルのダンスがあり、
どのジャンルのダンスを習えば良いのか?わからない
バレエは絶対必要か?
ご質問頂くことは少なくありません。
アニーに限らず、バレエだけ・ヒップホップだけ
といった特定のジャンルのみに集中するのは、あまりお勧めしません。

全部プロフェッショナルに網羅できれば、それほど素晴らしいことはありませんが、
少し早いテンポ感のジャズが1番近いジャンルと言えます。

また、バットマン、パドブレ・ツーステップ・
シェネ・ピルエットといったジャズダンスの
テクニックや基本ステップは必ずやっておきましょう。

振り入れで出てきた時に、あ!あれね!と言葉と動きがマッチするレベルまでは、
最低限もっていきたいところです。

また、舞台上でのダンスの見栄えを良くするために、
基本的な体幹トレーニングもやっておくと良いでしょう。
ピタッと止まれる・手の指先まで神経を通わせることが非常に大切です。


2.技術と表現力を同時に磨く
基本的なダンススキルと同時に磨きたいのが、「表現力」です。
特に、一曲の中で、ずっと踊りっぱなしということはなく、
演技のつながりの中で歌う・踊るのが、ミュージカルの醍醐味ですが、
どうしても、振付に追われてしまったり、
段取りに追われてしまったりで、素に戻る瞬間が出来てしまいがちです!

それは、単にダンスの技術を磨いても、なかなか身につけることは出来ません。

ある程度の場数・本番経験も必要かもしれませんが、
演技とダンスを分けて考えずに、同時にお稽古することが1番の近道です。




まとめ

ミュージカル子役の登竜門であるアニー
応募者数も多く、歴史が長い分情報もたくさんあり、
チャレンジする子供達のレベルも高くなっているのは事実だと思います。

歌・・・音程・リズム・発声
ダンス・・・リズム感・基礎ステップの技術
演技・・・発声・滑舌
などのそれぞれの技術に加え、「あなただけのオリジナル」も
同じくらい大切にお稽古すると良いでしょう。

歴史が長い分、「アニーと言えばこうでしょ」に捉われない唯一無二の表現は、
一朝一夕には身につきません。
きっとアニーだけを題材にお稽古していても、それは難しいと思います。
たくさんのお芝居に触れ、本を読み、経験することで、
表現力・想像力を育てていくと良いでしょう。

ただし、せっかくオリジナリティがあっても、それを体現し、
人に伝えられるようにするには、正確な技術は絶対必須!
どっちかを先に、どっちかだけをではなく、
両方同時にお稽古することを忘れず・・・!
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この記事を書いた人

Polish_20220210_160806305.jpg IZUMI(玉置いづみ)
【IZMIC Be STUDIO】主宰
日本大学芸術学部演劇学科演劇コース卒業
元(㈱)アミューズでの新人育成講師
演技・ダンス・体幹トレーニングと幅広く指導に当たっている



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