演技が上手い子役って、何故上手いの?
1.嘘ではなく心が動いている
演技が上手い大人のイメージはなんとなく理解できますね。
しかし、子役でも演技が上手い子供さんはいます。
どうやったら演技が上手くなるんだ?
思ったことはありませんか?
小さいお子さんの場合、演技をしているとか、役になりきってるとか、そんな感覚はありません。
そこに【嘘】がなく、【心が動いている】のです。
セリフの意味を声に出して話しているではなく、言いたいことを伝えているのです。
つまり、頭で考えてから行動しているのではなく、気持ちと行動が直接つながったイメージです。
赤ちゃんは、
【朝から、何も食べてないよな、お母さん、忙しくてご飯忘れてるな、よし、ここらで、泣いて気が付いてもらおう】
と考えてから泣いてません。
腹減った➡泣く
です。
ここら辺に、【演技が上手くなる方法】が隠れていそうですね。
考えないで行動する、嘘をつかないとはどういうことなのか?
更に詳しく考えていきましょう
2.やりたいの気持ちが一番
演技レッスンでは、セリフを暗記する、役の感情を考える、表情を作る。
そんなイメージありませんか?
幼児のお子さんや、小学校の低学年のお子さんが、これを続けていたら?
多分飽きちゃいます。
稀に、我慢強くやってる優秀なお子さんもいらっしゃいますが・・・
そんな彼らでも、考えろ~覚えろ~の連続がレッスンだったら、やる気が無くなって、それでも続けていたら、何回でもセリフを間違わずに言えるコピー人間になるのが関の山です。
心、ここにあらずでやっても【上手い演技】には近づけません。
【心が動いている状態】は、【ウキウキ】【楽しい】前のめりな状態の時なのです。
つまり、覚えなさいという命令を脳にするのではなく、覚えたいと脳が思うように導くことが重要なのです。
上手い子役とは、このウキウキ演技する感覚が身についているお子さんなのです。
子供の演技レッスン上達のコツ
1.遊べばいい
幼児の場合、最初の壁は集中力です。何時間でも、飽きずに楽しそうにやること、そこに幼児の演技上達のコツがあります。
そして、演技は楽しい遊びだ、と実感できたお子さんは、将来的にも演技レッスンが楽に継続できるようになります。
さらに、人見知り、恥ずかしがり屋などの対策にもなるのが遊び心です。
遊んでるときに、動かないお子さんや、人見知りを発動するお子さんはいません。
子供自身のやりたい気持ちを尊重することで、自主的な行動を促すことが出来ます。
あくまで、主体は、先生や親にあるのではなく、子供にある様に心掛けることも、集中力を保つコツです。
それがズバリ【ゲーム】です。
【ゲーム感覚】を一番に【演技と遊ぶ】感覚を育てるレッスンを心がけています。
遊ぶことを嫌がる子供はいません。
レッスンが遊びになれば、もぅ、ほっといても子供は自分からお稽古を始める様になります。
2.子供の集中出来る時間は?
子供の集中できる時間は、とても短く、成長とともに時間は伸びると考えられています。幼児期なら、【年齢×1分】
5歳児なら6分程度と言われています。
小学生になると、【学年×10分】程度です。
大人でも集中力が一度途切れると、回復には【23分】もの時間がかかると言われています。
また、アメリカのブルッキングス研究所は、頻繁に邪魔が入ると、子供の脳の実行機能が阻害されることも明らかにされています。
集中と休憩をバランスよく入れるとこが継続のコツです。
演技上達のゲーム~自宅編
1.【これなんだ?】ゲームで語彙力・表現力が爆上がり
具体的に、子供が飽きずに出来る【ゲーム感覚のレッスン】
ご自宅で、出来る【これなんだ?】ゲームは、幼児~小学生まで遊べて、語彙力の上がるレッスンです。
オーディションで【別の言い方で自由に言ってみて】と指示が出る事が頻繁にあります。
セリフは与えてはあるが、その子らしさの出る言葉を探しているのです。
言い換える言葉の多さは、表現力の広さにもつながっていきます。
■やり方
① カード選ぶ
カードには、【食べ物】が書かれています。
何が書かれているかは見ないでおきましょう。
② なんのカードなのか?質問する
そのカードが何なのか?質問して答えを導いていきます。
年齢や、難易度によって、質問して良い回数を変えましょう。
③ 役割を交代しよう
今度は、自分が選んだカードを見ます。
ヒントを与え、相手に当ててもらいましょう。
2.【お話づくり】ゲームで、想像力を鍛えよう
オーディションや現場において、渡された台本から何を感じ、どう表現するか?
与えられたものから、イマジネーションを膨らませることが、
演技において大切なことです。
また、経験が少ないお子さんは、
表現することや想像することに慣れ、経験値を上げていきましょう。
その為に最適な演技ゲームで、語彙力や想像力を広げていきましょう。
■やり方
① 好きな食べ物、好きな遊び、
自分の名前など、お題を決める。
(いちご etc)
② ①で決めた単語の一文字一文字から始まるセリフを考えて、お話を作る
(「いちご」なら...「い」から始まるセリフ、「ち」から始まるセリフ、「ご」から始まるセリフを考える)
③作ったお話を演じる。
2.ボールを使って、声と感情のコントロール
同じセリフでも、色んな感情があり、感情のレベルも違うはず
ですが、小さいお子さんにとっては、
その微妙なニュアンスの気持ちが分かりづらかったりしますよね。
固定概念を捨て、色んな表現ができるように、
声の大きさにフォーカスしてレッスンを行いました。
また、オーディションで「もっとやって」と言われることもあります。
そんな時、「もっと」をイメージしやすくなる演技レッスンです
同じありがとうの台詞でも、
小さい声で言ってみたら、ちょっと恥ずかしい気持ちになったり、
大きな声で言ってみたら、飛び上がるほど嬉しい気持ちになったり、
声の大きさを変えることで、気持ちが変わってきます。
■やり方
①小さいボール、中くらいのボール、大きいボールを用意
②同じセリフを使って、ボールに大きさに合わせて声の大きさを変化させる
③出来てきたら、ボールの大きさに合わせて、気持ちの大きさも変えていく
④さらに出来てきたら、そのままエチュードに発展。エチュード中も、小さい声や大きい声を使い分けてみましょう。
演技上達のゲーム~お友達と
1.【いろいろ一致】ゲームするだけで、人と違う事を楽しめる様になる
子供の中には、人と違う事が悪いことと感じてしまい、人と違う意見が言えない場合もあります。
人と違って良い、をゲームで学ぶことで、自分の個性も、他者の個性も楽しく受け入れるレッスンです。
■ やり方
① 声を合わせて
【一致、一致、いろいろ、一致】とリズムに合わせてみんなで踊ります。
楽しいダンンスを作ると効果倍増です。
声を合わせて、言いながら踊ります。
② 質問する
一人が、みんなに【空の色は?】【一番おいしいお菓子は?】など、様々な質問をします。
③ 答え合わせ
声を合わせて、その質問に答えます。
答えがバラバラでも、一致していても楽しんでいきましょう。
④ 目標を決める
答えがバラバラになるといいね
答えが一致するといいね
等、その都度目標を決めることで、人と違うことも怖くなくなります。
2.【感情電車ゲーム】で気持ちを出すことが楽しめる
子供は、ゲームが大好きです。
沢山のゲームレッスンの中でも【感情電車】は人気のレッスンてす。
特に、恥ずかしい気持ちが強いお子さんには最適な感情を出すレッスンとなります。
自由に動けない
人がいないと出来ない
恥ずかしがり屋
勇気がない 等
自由に1人でも、演技しながら動くことが目標です。
全員からスタートし、子供が慣れてきたら1人でも出来るか?やってみましょう。
■ やり方
①全員で電車
車掌さんの運転する電車にお客さんは乗ります。
お客さんは、車掌さんの真似をしなければなりません。
車掌さん→
ウキウキしている
怒っている
探している
等々
お客さん→
どんな電車なのかわかった人から、車掌さんの後ろに繋がって電車に乗ります。
終わり方→
電車が終点に着いたら終わりです。
ここでの目的は、人の真似をすることで、様々な動き方に出会うことです。
走る
飛ぶ
スキップする
止まる
座る
背伸びする
楽しんで真似っこしましょう
②1人で電車
貴方は車掌さんです。
どんな電車なのかわかったら、終点に着くまで電車を走らせて下さい。
アチコチ動けるようになってきましたか?
次は、【大事な物を探す】電車の出発です。
止まったり、走ったり、座ったり、背伸びしたり、色々な動きを入れて探しに行きましょう。
大きな声で【見つけたよ~】と言ったら、終わりです。
見つかったら駅に戻りましょう。
心を強くする魔法の言葉
1.ルーティンを決める効果
子供クラスで取り入れているのが【ルーティン】
これは、【やる気スイッチ】のようなもので、これをすると集中できるといった、儀式のようなものです。
ラグビーの五郎丸先週がキックの前に拝むようなポーズをしたことも有名ですね。
これは心理学でも効果があると実証されています。
・レッスン開始のルーティン
・子供が失敗した時のルーティン
・子供がほめてもらった時のルーティン
スタジオでは様々なルーティンを入れることで、【やる気スイッチ】を入れなおし、
【集中しなおし】しています。
習慣化することで、さぁ、今からスタートだ!
と自然と心と身体が向いてくるようになります。
特に、失敗した時のルーティンは、クラスで実証済みのお墨付き。
ご紹介しますので、是非お試しください
2.失敗した時、復活できる魔法の言葉とは?
失敗したり、ダメ出しされてら、テンション下がりますね。
それが何回もになると、子供は【失敗が怖くなる】⇒【チャレンジしない】といった、負のループにはまります。
怒られたくないからやらない
失敗が嫌だから、やらない。
このような行動は、度々見られます。
そこで、成功も失敗も同様に受け入れていく事を目指す、【魔法の言葉】をレッスンしていきましょう。
■ やり方
①成功した時
【よくできました、百点です】
と言われたら、思いきり身体で喜びます。
身体全体で、喜びを表すのがコツです。
【イェーイ、やった~】など思い思いの言葉も使いましょう。
その後、おまわりさんの様に、敬礼をしながら
【恐縮です】
と言います。
周囲の大人が笑ってくれること間違いなし。
【凄いね よくできたね】など褒めてあげてください
②失敗した時
【残念、ドボーン】
と言われたら、身体全体を使って、【あ~やっちゃた~】など言葉言いながら、思いきり落ち込みます。
床に倒れ込むのもよいでしょう。
その後、
【でもでもでもでも~そんなの関係ない!ふっかぁ~つ!】
と言って、げんきに 立ち上がりピースサインをします。
そこまで出来たら、周囲の大人が①に戻って、
【よくできました、百点です】
と復活したことを褒めてあげてください。
子供は、百点が欲しくて、思いきり楽しそうに落ち込んでくれます。
まとめ
1.失敗した時こそ肯定する
幼児の場合、演技と真実の違いが明確ではありません。お母さんが喜んでくれるから、褒めてくれるから、本人が演技する事を遊びの延長でとらえている事も多いです。
オーディションやレッスンを重ねる過程で、演技そのものが上手くなりたい、オーディションに合格したい等の本人の意思が出てきます。
年齢や経験が上がってくると、失敗やダメ出しされることも増えていきます。
ダメ出しをする前に、必ず、子供の意見を聞き、肯定してあげてください。
肯定して、子供の考えを聞いた後で、【別の方法・考え】を言ってあげることで、大人の言うこ事も聞こうとしてくれます。
例
【そうか、〇〇したんだね 頑張ったね 勇気出したね】
など最初に子供の行動したことを認め褒めてあげます。
特に、子供の気持ちを付け加えてあげるとさらに良いと思います。
その後で
【次は、〇〇もしてみようか?もっと、上手に出来るといいね】
等です。
ついつい、大人が言いたいことを先に行ってしまう事もあります。
そんな時は、一息ついてから、子供に声をかけてあげる事で、子供が失敗を怖がらず、失敗した経験から【工夫】や【勇気】を学べるように導いてあげましょう。
この記事を書いた人
IZUMI(玉置いづみ)
元(株)アミューズでの新人育成講師
演技・ダンス・体幹トレーニングと幅広く指導に当たっている
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